海外FXの金融ライセンスってなに?目的や種類など詳しく解説

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皆さんは海外FX業者を選ぶ際に金融ライセンスを気にした事はありますか。

もしかしたらこの記事を読んでいる方の中には

A君
A君

金融ライセンスって何の話?

と思われている方も多いのではないかと思います。

海外FXでは「ハイレバレッジ」「ボーナス」「ゼロカット制度」などが注目されがちなので、金融ライセンスまでを気にする人は少ないかと思います。

しかし海外FXを選ぶ上で金融ライセンスを気にすることによって、より安全に海外FX業者を選ぶことができます。

そこでこの記事では以下の3つについて解説していきます。

  1. 外国為替市場はどのように規制されているのか
  2. 金融ライセンスの種類
  3. 主要な金融ライセンス5選

外国為替市場はどのように規制されているのか

金融ライセンスについて解説する前にそもそも外国為替市場がどのように規制されているかについて知る必要があります。

そもそも外国為替市場は様々な国の通貨をやり取りするわけですが、世界中の為替の流れを規制する中央集権的な規制当局は存在しません。

つまり外国為替市場内の規制は各国の金融規制当局に依存しています。

この前提を踏まえた上でここでは以下の4つについて解説していきます。

  1. 各国の金融規制当局の役割
  2. 金融ライセンスの目的は何?
  3. 国によっては金融ライセンスは不必要
  4. 日本における金融ライセンスの必要性

各国の金融規制当局の役割

金融規制当局の役割
  • FX業者が金融ライセンスの基準に沿っているかを確認する
  • FX業者とトレーダーの間に発生した紛争を第三者的な立場から解決する
  • 税務監査などを駆使してFX業者の透明性を担保する
  • FX業者が取引上のコンプライアンスを遵守しているか監視
  • FX業者のライセンスの取り消し

金融規制当局が金融ライセンスを発行する目的は、トレーダーをFX業者などの金融商品取引業者から法的に保護することです。

金融規制当局では取引業者がトレーダーに対して履行するべき義務を果たしているかを常に監視しており、必要に応じて金融ライセンスの取り消しなどの処罰を与えることもあります。

このように金融規制当局はその国の金融商品事業者が透明性のある取引を行っているかどうかをトレーダーに担保する役割も務めています。

しかし前述のように取引業者を取り締まっているのは各国の金融規制当局なので、金融ライセンスはその金融ライセンスが発行されている国内でしか効力を持ちません。

つまり、イギリスの金融規制当局のライセンスを取得しているFX業者で日本国内のトレーダーがトレードした場合、イギリスの金融規制当局による保護は受けられないということになります。

国によっては金融ライセンスは不必要

発展途上国などの国では金融に関する法制度が整えられていないため、金融ライセンスを取得しないでもその国でFX事業行うことができてしまいます。

このような国や地域はオフショアと呼ばれ、大抵の場合法人税が免除されていたりなどのタックスヘイブンにあたることが多いです。

アフリカ諸国では金融規制当局が存在する国が2カ国しかないと言われているように、FXに関する規制が存在しない国もあります。

この地域で法人登記を済ませることで、FX業者は会社の維持費を安く抑えながら他の国のトレーダーに対して合法的にサービスを提供することができます。

しかし、詐欺などの被害にあっても金融規制当局からの保護は受けられないということは覚えておく必要があります。

日本における金融ライセンスの必要性

日本における金融規制当局は金融庁です。

FX業者は日本でFX事業を行う際には日本の金融ライセンスを必ず取得している必要があります。

日本が発行する金融ライセンスは世界的にも取得の難易度が高く、規制内容が厳しいことで知られています。

しかし多くの海外FX業者では日本の金融ライセンスを取得していない状態で、日本のトレーダーに対してサービスを提供しています。

金融庁ではこのようなFX業者が日本の金融ライセンスを取得せずに事業展開していることを違法としており、警告を行っています。

筆者
筆者

「警告」にとどまっているのは日本人トレーダーに絞った明確なサービス提供をしていないからです。

海外FX業者は金融庁の規制下に置かれないことから、海外FX業者を利用して不当な出金拒否や詐欺被害にあった場合でも、金融庁からの救済措置を期待することはできません。

つまり、海外FX業者がいくら海外諸国の金融ライセンスを取得していても、日本の金融ライセンスを取得していない限り、日本在住のトレーダーが保護を受けることはないということです。

トレーダーが海外FX業者を利用すること自体は違法にはなりませんが、不測の事態が起きた際は全て自己責任になってしまうことを覚えておきましょう。

金融ライセンスの種類

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各国で発行されている金融ライセンスですが、同じ金融ライセンスでも許可されている注文処理方式に違いがあることがあります。

具体的には同じイギリスの金融ライセンスを持っていても、業者によってはNDD方式での注文処理しか許可されていないということが起こり得ます。

ここでは金融ライセンスの種類の中でも「MMライセンス」と「STPライセンス」について解説していきます。

MMライセンス

MMライセンスとはDD方式の注文処理を認可された金融ライセンスのことを指します。

筆者
筆者

MMとはマーケットメーカーの略です。

FX業者がMMライセンスを取得するためには、DD方式の注文処理方式を採用するに足る資本力があることを金融規制当局側に証明する必要があります。

ではなぜDD方式を採用するためには高いハードルが存在するのでしょうか?

DD方式とは海外FX業者のディーラーがトレーダーからの注文を一度受け付ける注文処理方式のことを指します。

DD方式ではトレーダーからの注文を反対売買するため、FX業者側が為替リスクを引き受けるという役割をすることになります。

例えばトレーダーからの10枚の買い注文があったとします。

FX業者がこの注文をDD方式により処理するとき、FX業者のディーラーはこの10枚の買い注文に対して売り向かうことによって約定させます。

この時、ディーラーは10枚の売りポジションを持つことになります。

つまり、FX業者は10枚の売りポジション分の為替リスクを背負ったことになります。

このようにDD方式では海外FX業者側のディーラーがトレーダーからの注文に対して反対売買することになるので、それなりの資本金が必要になってきます。

FX業者に十分な資本力がない場合、トレーダーからの大量の注文があった時にトレーダーの注文を約定させることができないという事態が起きてしまいます。

またDD方式で注文を受け付けた際はFX業者側のリスクヘッジのためにカバー先の金融機関へカバー注文を出すことになります。

そのためMMライセンスを取得するためには、FX業者にカバー注文をさばききれるほどの十分なカバー先が存在することを証明する必要があります。

カバー取引に応じてもらえなかった場合FX業者は大きな為替リスクを抱えることになり、その分トレーダーに対して不利益をもたらす可能性が高まります。

このようにMMライセンスを取得するためにはFX業者側の「資本力」や「十分なカバー先の存在」を証明する必要があります。

またMMライセンスを取得している海外FX業者はNDD方式での注文処理方式を採用することができます。

STPライセンス

STPライセンスとはSTP方式での注文処理方式を採用することを認可された金融ライセンスです。

MMライセンスよりも取得の難易度が低く、取得の際に求められる資本要件も比較的優しいです。

STP方式ではトレーダーからの注文はFX業者側のディーラーを介さずにインターバンク市場に流されることになります。

そのためFX業者側もトレーダーからの反対注文を受け付けるというリスクを取る必要がなくなるため、DD方式よりもFX業者に求める条件が優しくなります。

STPライセンスを取っただけではDD方式での注文する方式を採用できないと言うデメリットはあります。

しかしFX事業を始めたてのFX業者にとってはMMライセンスを取るよりもSTPライセンスの方が取得難易度が低いため、多くのFX業者が最初の段階のライセンスとして取得する傾向があります。

主要な金融ライセンス4選

ここまで金融ライセンスの目的や種類について詳しく解説してきました。

前述のように各国の金融規制当局ではそれぞれの国において効力を発揮する金融ライセンスを発行しています。

ここでは海外FX業者で頻繁に目にすることがある金融ライセンスを4つピックアップして解説していきます。

  • FSA
  • ASIC
  • CySEC
  • IFSC

FSA

  • 最低資本要件100万ポンド(約1億5,000万円)
  • 最大8.5万ポンド(約1,275万円)の補償制度

FCAはイギリスの金融規制当局で、世界最難関の金融ライセンスを発行しています。

世界最難関の金融ライセンスと言われている理由は金融ライセンスを取得するための資本要件の高さに由来しています。

イギリスは世界の金融市場の中心地であることからも、金融法制度の堅強さに比例する形で金融ライセンスの取得難易度もかなり高いです。

FCAの金融ライセンスを取得しているのは以下のFX業者です。

  • exness
  • XM

ASIC

  • 最低資本要件100万ドル(1億1,150万円)
  • ASIC規制下のFX業者は外国の投資家に対してサービス提供をしてはいけない

ASICはオーストラリアの金融規制当局で、FCAに負けず劣らずの難易度の金融ライセンスを発行しています。

ASICも金融ライセンスを取得するためには100万ドル(1億1,150万円)の最低資本が必要になります。

また、ASICは規制下のFX業者が違法に海外在住のトレーダーにサービスを提供しないように取り締まっています。

前述のように日本では金融庁の認可を受けていない海外FX業者が日本在住のトレーダーに対してサービス提供をすることを禁止しています。

日本の金融庁はASICと協力して日本のトレーダーがASIC認可の海外FX業者と取引をしないように対策を講じています。

  • XM

CySEC

  • 最低資本要件75万ユーロ(約9,375万円)
  • 最大2万ユーロ(約250万円)の補償制度
  • ESMAの規制下にある

CySECはキプロスの金融規制当局で、取得難易度が普通レベルの金融ライセンスを発行しています。

キプロスはもともと金融に関する法制度があまり整えられていませんでしたが、EUに加盟したことによってEU基準の金融規制であるESMA標準に水準が引き上げられました。

  • XM
  • exness
  • FXPro

IFSC

  • 最低資本要件が10万ドル(1,250万円)から50万ドル(5,750万円)に引き上げ
  • タックスヘイブン

IFSCはベリーズの金融規制当局であり、取得難易度の低い金融ライセンスを発行しています。

ベリーズはオフショア地域と呼ばれるタックスヘイブンにあたるため、節税を望む企業がインターナショナルビジネスカンパニー(IBC)を設立しています。

筆者
筆者

IBCは設立をした国以外でのみ事業を行うことが許された会社のことを言います。

オフショア地域は金融的にも規制が緩いため、FX業者がオフィスを設立地に選ぶことが多いです。

IFSCでは近年金融規制が強まっており、かつて金融ライセンス取得のための最低資本要件が10万ドルだったものが、50万ドルに引き上げられました。

  • XM
  • Axiory
  • FBS

まとめ

この記事では海外FXの金融ライセンスについて解説してきました。

海外FX業者でトレードすること自体は違法にはなりませんが、私たちを保護してくれる金融庁による規制を受けていないため、潜在的なリスクがあると考えてよいでしょう。

しかし、だからと言って海外FXでトレードはするべきではないというわけではありません。

なるべく有名で評判のいい海外FX業者を利用している限り、詐欺などに会うことはまず少ないと考えられます。

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