FXの過去検証を行っている中で、何回分のトレードサンプルを集めればいいのだろうと、疑問に思ったことはありませんか?
この記事では、FXの検証にほとんどの時間を費やしてきた筆者が、FXの検証の回数について解説をしていきます。
FXは確率のゲームとして考える
具体的な検証回数について解説する前に、FXの本質について解説していきます。FXの本質は、確率のゲームです。
確率のゲームとは、プレイヤーの勝敗が統計的な確率によりあらかじめ定められているゲームのことで、パチンコやルーレットなどもその一種です。
確率のゲームを行う際には、大数の法則に沿って行動をすることが、最善の手段とされています。
- 大数の法則
- FXにおける大数の法則
大数の法則
大数の法則とは、確率論や統計学における基本定理の一つで、試行回数を重ねるほど、事象の出現回数が理論値に近づいていく定理のことを言います。
例えばコイントスでは、表と裏の出る確率(理論値)はそれぞれ50%ずつです。しかし、2回のコイントスを行ったとしても、表と裏が1回ずつ出るとは限りません。
しかし、コイントスを100回、1000回と繰り返していけば、自然と表と裏の出る確率が50%付近に収束していきます。これが大数の法則です。
FXにおける大数の法則
FXではたとえ、優位性の高いエントリーポイントであっても、過去10回のトレードで負け続けてしまうことは、よくあることです。
実際に、私が現在使用しているトレード手法の勝率は45%程度ですが、過去検証では9連敗の記録が残っています。
しかし大数の法則から考えれば、優位性のあるポイントにエントリーし続けることで、長期的に利益を得ることができます。
結局FXの検証は何回分すればいいの?
確率のゲームであるFXでは、トレード回数を多く確保することで、本来の成績が現れてくることが分かりました。
つまり、FXの検証を行う際も、十分な数のトレードサンプルを集めなければ、本来のトレード手法の成績を評価することができません。
では、検証の際に必要なトレードサンプルは何回なのでしょうか。ここでは、筆者の実体験を踏まえながら、解説していきます。
- 結論:トレード手法に確信が持てる回数
- 検証期間を目安にする
- 多ければ多いほど良いという訳ではない
結論:トレード手法に確信が持てる回数
結論、自分がトレード手法に確信が持てる回数で良いです。
そもそも検証を行う目的は、トレードごとの感情リスクを排除できるように、機械的に運用できるトレード手法を作り上げることにあります。
その点からいえば、トレード手法に自信が持てれば、検証回数は別に何回でも構いませんが、少なすぎるのは問題です。
前述のように、トレード手法を正しく評価するためには、十分な数のトレードサンプルが必要です。あえて具体的な数字を挙げるのであれば、500回程度を目安にしてみてはいかがでしょうか。
検証期間を目安にする
回数ではなく、検証期間を目安にするという手もあります。同じ期間で別の手法の検証を行えば、パフォーマンスを比較しやすくなります。
例えば、デイトレード手法であれば、5年の検証期間を確保すれば、1000個近くのトレードサンプルを集めることができます。
私の場合、デイトレード手法であれば5年を目安にし、スイングトレード手法であれば10年を目安に検証を行います。
多ければ多いほど良いという訳ではない
中には、1つの手法につき、数千回から数万回の検証を行う方もいるようです。しかし、検証回数が多すぎることが、悪影響を及ぼすこともあります。
デイトレード手法であれば、数千から数万回のトレードサンプルを集めるためには、数十年分のチャートで過去検証を行う必要があります。
しかし、トレード手法で一番大切なのは、現在の相場で使えることです。したがって、現在の相場との関連性が薄い、ひと昔前のチャートで検証を行っても、あまり意味がないのが正直なところです。
スイングトレードの検証であっても、せいぜい10年から15年の期間でトレードサンプルを集めるようにしましょう。
統計学的に必要とされている回数
統計学的に検証に必要なトレード回数は、確立分母の300倍と言われています。
これは統計学の世界で「信頼区間」として知られており、これだけのトレードサンプルがあれば、95%の確度で信頼できるトレード手法ということができます。
確立分母=1/勝率
必要な回数=確立分母×300(or 400)
以上の公式を踏まえて、検証したトレード手法の勝率が45%の場合、
1÷0.45=2.22
2.22×300=666回
つまり、勝率45%のトレード手法が信頼できるものであるためには、666回のトレードサンプルが必要ということになります。
まとめ
ここまで、FXの検証回数について解説してきました。
この記事の要点は以下の3つです。
- 確率のゲームであるFXでは、十分な数のトレードサンプルが必要
- 検証回数の目安は、300回から500回
- 検証回数は多すぎてもダメ