資金管理はFXにおける生き残り戦略の根幹といえるでしょう。僕自身も資金管理法の研究をし始めたころから、収益が改善していきました。
この記事では、以下の3点に沿ってFXの資金管理について解説していきます。
- FXの資金管理で最も大切な考え方
- 一般的によく知られているがオススメできない資金管理法
- 現役トレーダーがオススメする資金管理法
FXの資金管理で最も大切な考え方
まずFXの資金管理で最も大切な考え方について解説していきます。この考え方に沿った資金管理であれば、究極何でもよいと言えます。
その考え方とは逆マーチンゲール法です。逆マーチンゲール法について解説する前に、まずマーチンゲール法について触れておく必要があります。
そもそもマーチンゲール法とは
マーチンゲール法とは簡単に言えば、トレードに負けたら次のトレードでより大きなリスクをとり、トレードで勝ったら次のトレードではリスクを小さくする資金管理法のことです。
これはギャンブラーが良く用いる資金管理法として有名であり、理論上必ず利益が出るとされています。負けても次のトレードで倍賭けしていけば、いつかの勝ちトレードで負け分を一気に取り返せるという寸法です。
しかしマーチンゲール法が通用するのは、飽くまでも「資金が無限にあること」を前提に置いた場合のみです。たいていの場合、勝ちトレードが訪れる前に証拠金を用意できなくなって、破産していしまいます。
逆マーチンゲール法を資金管理に取り入れよう
これを踏まえて、逆マーチンゲール法とは、トレードで負けたら次のトレードで晒すリスクを小さくし、トレードで勝ったら次のトレードで晒すリスクを相応に大きくしていく資金管理のことです。
逆マーチンゲール法を用いることでのメリットは、
- 連勝時の資金の伸びが速い
- ドローダウンの角度を浅くすることができる
以上の2点です。
しかし、逆マーチンゲール法では負けるたびにリスク量を減らしていくので、当然トレードごとに期待できるリターンも減っていきます。
つまり、逆マーチンゲール法を使っている場合、一度ドローダウン期間に入ってしまうと、抜け出すのにかなりの時間がかかってしまいます。
以上のように逆マーチンゲール法にはメリットもデメリットも両方ありますが、それでも「損失を最も抑えられる資金管理」という意味で、逆マーチンゲール法を利用することをオススメします。
一般的によく知られているがオススメできない資金管理法
FX関連の記事やブログを見ていると、「初心者にオススメ」と題してあまり良いとはいえない資金管理を紹介していることがあります。
ここでは、一般的によく知られているがオススメはできない資金管理を紹介していきます。
- 固定ロット数による資金管理
- 値幅(pips)による資金管理
固定ロット数による資金管理
毎回同じロット数でトレードを行うような資金管理はオススメできません。
FXにおけるロット数は、損切りまでの値幅とリスクにさらす金額から算出されるべき値であって、先行するべき値ではありません。
損失許容額(円)=取引数量×損切りまでの値幅
取引数量=ロット数×最小取引単位(10万 or 1万 or 1,000)
ロット数を固定したトレードを行ってしまうと、損切りまでの値幅が狭い時にはリスクの高すぎるトレードになり、損切りまでの値幅が広い時にはリスクの低すぎるトレードになってしまいます。
これは逆マーチンゲール法に背いた資金管理になりかねないので、効率の悪い資金管理といえるでしょう。
値幅(pips)による資金管理
値幅を中心に考えた資金管理もオススメできません。例えば、○○pipsで利確や損切りと固定する資金管理のことです。
よくSNSで「今日のトレードは100pipsゲット!!」などのコメントを見かけますが、許容損失幅とセットでなければ何の意味も持ちません。
もし許容損失幅が20pipsだった場合は、リスクリワード5倍のトレードを実現したわけですから、素晴らしいトレードといえるでしょう。
しかし相場のボラティリティが高く、許容損失幅が200pipsだった場合は、リスクリワードが1を割ってしまっているので、悪いトレードと評価するべきです。
このようにpipsの重さは、相場のボラティリティや損切り幅によって異なるので、pipsによる利確や損切りは逆マーチンゲール法に則っていないことになります。
現役トレーダーがオススメする資金管理法
ここでは実際に現役トレーダーである僕がオススメする資金管理法を2つ紹介していきます。
- 定率による資金管理
- 固定比率による資金管理
定率による資金管理
定率による資金管理とは、口座資金の○○%を許容損失額として設定し、その許容損失額内でロット数と損失幅を調整する資金管理法のことです。
例えば口座資金が100万円の時に定率2%の資金管理法を用いている場合、1回のトレードの許容損失額は2万円です。
もし1回目のトレードで勝って口座資金が104万円に増えた場合、次のトレードの許容損失額は、
104万円×2%=2万800円
となります。
もし1回目のトレードで負けて口座資金が98万円に減った場合、次のトレードの許容損失額は、
98万円×2%=1万9,600円
となります。
このように定率法であれば、勝ったらリスク額を増やし、負けたらリスク額を減らすことができているので、逆マーチンゲール法に則っていると言えます。
僕が過去の記事で紹介しているトレード手法では、定率による資金管理を採用しているので、ぜひ参考までにご覧ください。
固定比率による資金管理
資金テーブル | リスク額 |
---|---|
〜¥25,000 | 資金の20% |
¥25,000~¥49,999 | ¥5,000 |
¥50,000~¥99,999 | ¥10,000 |
¥100,000~¥199,999 | ¥20,000 |
¥200,000~¥399,999 | ¥40,000 |
¥400,000~¥799,999 | ¥80,000 |
¥800,000~¥1,599,999 | ¥160,000 |
¥1,600,000~¥3,199,999 | ¥320,000 |
3,200,000~¥6,399,999 | ¥640,000 |
¥6,400,000~¥12,799,999 | ¥1,280,000 |
固定比率による資金管理とは、以上の表のように固定比率に基づいた資金テーブルごとに、リスク額を設定する資金管理法のことです。
実際僕が開発し、資金を10万円から400万円まで増やすことに成功したトレード手法では、この資金管理法が使われています。
定率法では、トレードで勝ったあとにはより大きなリスクをとるので、次のトレードで負けてしまうことがかなり痛手でした。
しかし、固定比率ではテーブル規定の資金に到達しない限り、リスク額は変更しないので、低勝率トレード手法との相性が良いと言えます。
しかし、厳密には逆マーチンゲール法に則っているとは言えないので、資金効率的には定率法に劣りますが、より慎重な資金管理ができると言えるでしょう。
まとめ
この記事では、FXの資金管理について解説してきました。要点は以下の3点です。
- FXの資金管理には逆マーチンゲール法を適用させるのが良い
- 定率法は逆マーチンゲール法に則る資金管理のためオススメ
- 筆者が使っていた固定比率の資金管理法もオススメだが、厳密には逆マーチンゲール法ではない